🍷 ワイン上級編 Part14 「デキャンタージュとは?|ワインを“移し替える”本当の意味」神戸市 東京都 試飲販売スタッフ ALCO
こんにちは!株式会社ALCOのブログ担当です。
前回のPart13では、ワインのボトルの底にたまる「澱(おり)」についてご紹介しました。
今回は、その澱を取り除く方法としても登場した「デキャンタージュ」についてです。
レストランなどで、ワインを大きなガラス容器に移している光景を見たことはありませんか?
「わざわざ別の容器に移す意味があるの?」
実はデキャンタージュには、澱を取り除く目的と、ワインを空気に触れさせて香りや味わいを開かせる目的があります。
今回は、その違いと使い分けを見ていきましょう。🍷
🍷 デキャンタージュとは?
デキャンタージュ(Decanting)とは、簡単にいうと、
ボトルのワインをデキャンタと呼ばれる別の容器へ移し替えること
です。
ただし、単純に「別の容器に入れる」だけではありません。
ワインによって目的が異なります。
大きく分けると、
① 澱を取り除く
② ワインを空気に触れさせる
この2つが代表的な目的です。
🍷 目的①「澱を取り除く」
まず、前回のPart13でも紹介した澱の除去です。
長期間熟成した赤ワインなどでは、ボトルの底に澱がたまることがあります。
そのままグラスに注ぐと、澱まで一緒に入ってしまう可能性があります。
そこで、
ボトル → デキャンタ
へゆっくり移し、澱をボトルの中に残します。
これによって、澱のないクリアなワインをグラスに注ぐことができます。
🍷 ポイントは「ゆっくり」
澱があるワインは、できるだけボトルを揺らさないことが大切。
ボトルを動かしすぎると、底に沈んでいた澱が舞い上がってしまいます。
そのため、静かに少しずつ注いでいきます。
🌬️ 目的②「ワインを空気に触れさせる」
もうひとつの目的が、空気との接触です。
ボトルの中では、ワインは比較的限られた空気との接触状態にあります。
そこでデキャンタに移すことで、ワインが空気に触れる面積が増えます。
するとワインによっては、
- 香りが開く
- 果実の香りが感じやすくなる
- タンニンが柔らかく感じられる
- 味わいの角が取れたように感じる
などの変化が起こることがあります。
このように、ワインを空気に触れさせることを目的としたデキャンタージュは、特に若くて閉じた印象のワインなどで行われることがあります。
🧐 「空気に触れれば必ず美味しくなる」は間違い?
ここがデキャンタージュの難しいところです。
すべてのワインが、デキャンタージュによって良くなるわけではありません。
ワインの状態やタイプによっては、空気に触れさせすぎることで、
- 香りが弱くなる
- 果実味が失われる
- 繊細なニュアンスが消える
といったこともあります。
特に熟成が進んだ繊細なワインは、急激に空気に触れさせることで、本来の魅力が失われる場合があります。
つまり、
「デキャンタージュ=ワインを美味しくする魔法」ではない
ということです。
ワインの状態を見ながら行うことが重要です。
🍷 「デキャンタージュ」と「スワリング」は違う?
どちらもワインを空気に触れさせる行為ですが、規模が違います。
🍷 スワリング
グラスを回してワインを空気に触れさせる。
🍷 デキャンタージュ
ワインを別の容器へ移し、より広い面積で空気に触れさせる。
グラスの中で少しずつ香りを開かせるのか、デキャンタを使って積極的に空気に触れさせるのか。
この違いです。
🕰️ どんなワインにデキャンタージュする?
一概には言えませんが、目的によって考えると分かりやすくなります。
🟤 熟成した赤ワイン
→ 澱を取り除くため
🍇 若くて力強い赤ワイン
→ 香りや味わいを開かせるため
🍷 繊細な熟成ワイン
→ 空気に触れさせすぎないよう注意
つまり、
「古いワインだからデキャンタージュ」
「若いワインだからデキャンタージュ」
と単純に決めるのではなく、何のために行うのかを考えることが大切です。
🏠 家でもできる!簡単デキャンタージュ
特別なソムリエ道具がなくても、デキャンタージュ自体は家庭でできます。
基本的な流れは、
STEP1
ワインをできるだけ静かに立てておく。
STEP2
ゆっくりコルクを抜く。
STEP3
ボトルを傾け、デキャンタへゆっくり注ぐ。
STEP4
澱がある場合は、ボトルの底に澱を残す。
STEP5
デキャンタに移したワインの香りや味わいの変化を楽しむ。
ただし、澱を取り除く目的の場合は、ワインを勢いよく注がないことがポイントです。
👃 デキャンタージュ後の「変化」を楽しもう
デキャンタージュの面白さは、移し替えた瞬間ではありません。
時間による変化を楽しめることです。
例えば、
注いだ直後
「少し閉じた香りだな」
↓
15分後
「果実の香りが出てきた!」
↓
30分後
「タンニンが少し柔らかくなった」
というように、時間とともにワインの表情が変わることがあります。
同じワインを時間を空けて飲み比べると、デキャンタージュの面白さがより分かります。🍷
🍷 デキャンタージュは「ワインとの会話」
デキャンタージュは、単にワインを別の容器に移す作業ではありません。
ワインの状態を見て、
「今、このワインには何が必要なのか?」
を考える作業でもあります。
澱を取り除くのか。
香りを開かせるのか。
それとも、あえてそっとしておくのか。
こうした判断ができるようになると、ワインの楽しみ方はさらに深くなります。
🍷 まとめ|デキャンタージュには「目的」がある
今回のポイントをまとめると、
- デキャンタージュ=ワインを別の容器に移すこと
- 澱を取り除く目的がある
- 空気に触れさせて香りや味わいを開かせる目的もある
- すべてのワインに必要なわけではない
- 空気に触れさせすぎると、繊細なワインの魅力を損なう場合もある
- 目的を考えて行うことが大切
デキャンタージュは、ワインを「もっと美味しくする魔法」ではありません。
ワインの状態を見ながら、そのワインが持っている魅力を引き出すためのひとつの方法なのです。
次に少し特別なワインを飲むときは、デキャンタージュする前と後で、香りや味わいを比べてみてください。
きっと、ワインの表情が変わる面白さを感じられるはずです。🍷
🔮 次回予告|ワイン上級編 Part15
「ワインの“ボディ”とは?|フルボディ・ミディアムボディ・ライトボディの違い」
「このワインはフルボディです」
ワインショップやレストランでよく聞く言葉ですが、そもそも**「ボディ」って何なのでしょうか?**
アルコール度数?
味の濃さ?
それともタンニン?
次回は、ワインを表現するときに欠かせない**「ボディ」**について、ライト・ミディアム・フルの違いとともに解説します。🍷
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